時間の使い方を「AIの進化」を前提に考える

―― 「消耗」と「蓄積」を分けて、3年後に残る方へ寄せる

AIが賢くなるほど、学びや努力の「賞味期限」は短くなります。
昨日まで価値があった手順が、来月にはボタン一つで済むことも起きます。


この変化の中で大事なのは、焦って追いかけることではありません。
「自分の時間が、将来の資産として残るか」を静かに見極めることです。


この記事では、時間の使い方を
「消耗する時間」と「蓄積する時間」に分ける考え方を整理します。


そして最後に、今日から無理なく始められる小さな一歩(Next Action)も置きます。


時間は「消耗する」か「蓄積する」かで分けられる

AIの進化を前提にすると、時間は大きく2種類に分けられます。


1つは、AIに置き換えられやすく、残りにくい努力です。
もう1つは、AIが賢くなるほど価値が増えていく資産づくりです。


この区別は、正しさの話ではありません。
「いま自分が何に時間を払っているか」を見える化するための、判断フレームです。


「消耗する時間」の特徴

「消耗する時間」は、AIの進化で価値が下がったり、置き換えられたりして残りにくい努力です。


たとえば、次のようなものです。


  • 特定ツールの操作やUIを細かく覚える
  • プロンプトの小技を暗記する
  • 新しいツールを追い続ける
  • 今流行りのツールの使い方だけを解説するコンテンツ記事を作る

こうした「消耗する時間」は、
1年後には価値が薄れ、結果として成果物がほとんど読まれなくなる/参照されなくなる、という形で現れやすいです。


ここで重要なのは、これらを「やるな」と言いたいわけではない点です。
ただ、時間の多くをここに投じるほど、AIの進化で努力が陳腐化しやすくなります。


「蓄積する時間」の特徴

「蓄積する時間」は、AIが賢くなるほど価値が増えていく資産づくりです。


たとえば、次のようなものです。


  • 議事録、思考メモ、経験、資料などをテキスト化して蓄積する
  • AIとの壁打ちで発想や思考を深める
  • 自分の代わりに動く仕組み(自動化)を作る
  • 信頼や認知など、人間関係の資産を積み上げる

ここでの感覚は、
「新しい道具を覚える」より「道具に渡せる材料を増やす」
に近いです。


そして、記録を資産に変えるうえで、もう一つ大切な要素があります。


それは、人間にしか経験できないものも、セットで残すことです。
事実や手順だけでなく、「そのとき何を感じたか」「どう解釈したか」「なぜそう判断したか」といった、感情・感想・解釈も一緒に書いておく。


同じ出来事でも、
「何が起きたか」だけより、
「そのときの自分がどう動き、どう迷い、どう決めたか」まで残っている記録のほうが、あとで読み返したときに再利用しやすくなります。


そしてこれは、読み返しのためだけではありません。
AIがより進化するほど、こうした文字情報が「あなた固有のコンテキスト」として効いてきます。


事実だけの記録よりも、判断の背景(感情・迷い・解釈)が含まれている記録のほうが、
AIに渡したときに状況理解が深まり、よりよい成果物につながりやすくなります。


根底の発想は「プロンプト」より「コンテキスト」

この整理の中心にあるのは、次の発想です。


「プロンプトを覚えること」より、
「AIに渡せるコンテキストを増やすこと」が効く。


コンテキストは、言い換えると「あなたの判断材料」です。
過去の議事録、試行錯誤、意思決定の理由、失敗の記録、作業ログ、考えた途中経過。


AIが賢くなるほど、
これらを読めること自体が強みになります。


実践は3つの軸に落とせる

この考え方は、実践として次の3つにまとまります。


  1. プロンプト暗記より、コンテキストの蓄積に時間を使う
  2. 音声入力や録音などで、思考や行動をそのままデータ化する
  3. 何かに時間を使う前に「3年後も価値があるか?」で判断し、価値が残る行動に寄せる

ここでのポイントは、努力の方向を「学習(消耗)」から「資産化(蓄積)」へ寄せることです。


言い換えると、
「AIの使い方を学ぶ(消耗)」ではなく、
「AIに自分を学ばせる材料を増やす(蓄積)」
という整理になります。


崩れゆく「消耗」の道と、輝き積み上がる「蓄積」の道の岐路を描き、未来の資産となる選択を表現した画像

※ 崩れゆく「消耗」の道と、輝き積み上がる「蓄積」の道の岐路を描き、未来の資産となる選択を表現しました。


判断に迷ったときの問い:「3年後も価値があるか?」

日々の選択は細かいので、判断は揺れます。
そこで使えるのが、この一問です。


「この時間は、3年後も価値が残っているか?」


たとえば、UIの場所を完璧に覚える時間は、変化に弱いかもしれません。
一方で、会議で何を考え、なぜその判断をしたかを残す時間は、変化に強いはずです。


この問いは「正解」を出すためではありません。
自分の時間の配分を、静かに整えるためのレンズです。


まとめ:時間は「AIに自分を学ばせる」側へ投資する

この整理の結論はシンプルです。


  • 「消耗する時間」は、AIの進化で置き換えられやすい
  • 「蓄積する時間」は、AIが賢くなるほど価値が増える
  • だから「プロンプト暗記」より「コンテキスト蓄積」に寄せる
  • そして記録には、事実だけでなく「感情・感想・解釈」も添えておく

最後に、無理のないNext Actionを置きます。


Next Action(小さな一歩)
今日から3日だけ、次のどれかを試してみてください。


  • 1日1つ、思考メモを「テキスト」で残す(結論だけでなく、感情や迷いも1行添える)
  • 5分だけ音声入力で「今日考えたこと」を記録し、文字起こしして保存する(そのときの気持ちも一緒に言葉にする)
  • 何かを学ぶ前に「3年後も価値があるか?」を1回だけ自分に問う

行動の量は増やさなくて大丈夫です。
「同じ時間を、残る形に寄せる」だけでも、手触りは変わっていきます。

國重公秀

飲食業界で31年、現場から役員までを経験し、売上16億円から300億円への企業成長を牽引。現在はその経営視点と最新技術を掛け合わせ、「AI×Notion」に特化した生成AIコンサルタントとして活動しています。

中小企業や飲食店オーナー様の業務自動化と収益化を支援しつつ、自身も「1日3時間の労働で安定収益を上げる」ライフスタイルを実践中。

(James Skinner氏に師事(AI Super Human)/プロンプトスクール飛翔 元公認管理人/東大「AI経営講座」修了・生成AIパスポート 他)

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