「これまでの思考ではダメ」 AIから学ぶという視点
―― 思考を預けず、拡張するために
AIが身近になり、
「便利」
「効率化」
といった言葉を、
日常的に目にするようになりました。
作業が早くなり、
情報も簡単に手に入る。
その変化自体は、
確かに大きなものです。
ただ私は、
その流れの中で、
一度立ち止まる必要があると
考えています。
これまでの思考の延長では、
これからの時代を、
うまく捉えきれないのではないか。
これは、
過去の考え方を
否定したいという話ではありません。
「人間だけで考える」ことを前提に、
最適化されてきた思考が、
AIが前提として存在する時代にも、
そのまま通用するのか。
その点に、
私は違和感を持っています。
この記事では、
私がなぜ
「AIを使う」のではなく、
「AIから学ぶ」
という姿勢を
大切にしているのか。
そして、
その実践として使っている
六賢思考助手について、
整理します。
なぜ「少し変える」では足りないと感じているのか
AIによって、
作業効率や
情報収集のスピードは、
確実に上がりました。
ただ、それは
100を103や105にする変化
です。
私が感じているのは、
もっと大きな変化の可能性です。
- 思考を外に出せる
- 複数の視点を同時に持てる
- 前提を疑う速度が、
極端に上がる
こうした環境では、
思考の使い方そのものが変わる
と感じています。
場合によっては、
100が200や300になるような、
非連続な再設計が、
必要になるかもしれません。
だからこそ、
「少し工夫する」
「少し慣れる」
ではなく、
考え方そのものを、
組み替える必要がある
と考えています。
AIは答えを教える存在ではない
私がAIに求めているのは、
正解を
教えてもらうことではありません。
むしろ、
自分の考え方の癖や前提を、
露わにしてくれる存在
だと捉えています。
人は、
人生を重ねるほど、
- 自分なりの正しさ
- 経験からくる判断
- 無意識の前提
を、
多く抱えるようになります。
それ自体は
自然なことですが、
同時に、
独りよがりになるリスク
も高まります。
AIとの壁打ちは、
その閉じた回路に、
揺らぎを入れる行為です。
答えをもらうためではなく、
考え直すための相手
として使う。
ここに、
「AIから学ぶ」という姿勢があります。
六賢思考助手という学習相手
私が使っている
「六賢思考助手」は、
ChatGPTのGPTで
作成したものです。
6人の偉人の
思考スタイルを前提に、
同じ問いに対して、
異なる角度から
返してくるようにしています。
重要なのは、
誰かの意見を
正解として
採用することではありません。
- 判断軸がどう変わるか
- 前提がどう揺さぶられるか
- どこに違和感を覚えるか
そうした反応を通して、
自分の思考を観察すること
が、
目的です。
だから私は、
六賢思考助手を、
「便利なツール」ではなく、
良い学習相手
だと位置づけています。
※ AIを思考拡張の相手と捉え、六賢人の視点で前提を問い直す図解。
六賢思考助手との、実際の一往復
あるとき、
私は次のような問いを投げました。
「AI時代に、
自分は何を強みにして
生きていくべきか」
正直なところ、
この問い自体は
かなり曖昧です。
ただ、
この
「曖昧なまま投げる」
ことが、
壁打ちでは
重要だと考えています。
まず、
松下幸之助の視点では、
問いがこう組み替えられました。
それは
社会にとって
意味があるか。
長く
続けられる形に
なっているか。
ここで私は、
自分が
「やりたいこと」ばかりに
目が向き、
持続性という軸が
抜けていた
ことに気づきました。
次に、
稲盛和夫の視点では、
判断の中心が
変わります。
その強みは、
誰のためのものか。
動機に、
恐れや見栄は
混ざっていないか。
この問いに触れたとき、
「評価されたい」という気持ちが、
判断に影響していた可能性を、
否定できませんでした。
一方で、
孫正義の視点は、
かなり荒く感じます。
今の延長線で
考えていないか。
10年後、
前提が変わった世界を
想定しているか。
ここでは、
自分の思考が、
現実的であることに
寄りかかりすぎている
と感じました。
Steve Jobsの視点では、
話が一気に
削ぎ落とされます。
それは、
誰に
どんな体験を
残すのか。
一言で
説明できるか。
このやり取りで、
私は「強み」を、
能力として
説明しようとしていたことに
気づきました。
最後に、
Elon Musk と
Jeff Bezos の視点では、
問いが
実装側に
引きずり下ろされます。
今週、
何を試すのか。
それは
仕組みとして
回るか。
ここで初めて、
考えが
「行動」に
接続されました。
なぜ六賢なのか
六賢思考助手の6名は、
偶然選んだわけではありません。
日本人が3名、
海外の人物が3名
という構成にしています。
これは、
国や文化に偏った前提から、
自分の思考を
一度引き剥がすためです。
国内の常識が、
世界でも通用するとは、
限りません。
最初から、
グローバルな視点が
混ざる構造にしています。
また、
6名の中には、
現在も活動している人物と、
すでに亡くなっている偉人が、
混在しています。
今の時代の
スピード感と、
長い時間を
生き延びてきた考え方。
異なる時間軸の思考を
ぶつけることで、
自分の立ち位置が、
少し客観的になります。
六賢思考助手は、
正解を出す
装置ではありません。
思考が一方向に
固まらないための構造
です。
読者が試せる、最初の一歩
もし、
ここまでの考え方に
少しでも
共感できたなら、
私が使っている
六賢思考助手と
同じものを使う必要はありません。
このGPTは、
私個人の学習用として
作っているもので、
公開して
誰でも使える形には
していません。
ただ、
考え方そのものは、
誰でも再現できる
と考えています。
ChatGPTで
簡単なGPTを作ってもいいですし、
Geminiの
Gemを使っても
構いません。
大切なのは、
完成度の高いものを
作ることではありません。
「自分の思考が、
一方向に固まらない構造」を
意図的に作ること
です。
そのための
最初の問いとして、
例えば、
こんなものがあります。
「この考え方は、
別の国・別の時代の人から見ても、
成り立つだろうか」
この問いを、
AIに投げてもいいですし、
自分の中で
考えるだけでも
構いません。
重要なのは、
答えを
すぐに出そうと
しないことです。
前提が揺れる感覚があれば、
それはすでに、
思考が
動き始めている
サインだと
考えています。
まとめ:思考を預けず、拡張する
私は、
これまでの思考を、
否定したいわけではありません。
ただ、
それだけに
頼り続けるのは
危うい
と感じています。
AIに思考を
預けるのではなく、
AIによって
思考を
拡張する。
六賢思考助手は、
そのための
一つの実践です。
「これまでの思考ではダメ」
そう感じたところから、
学びは
始まると考えています。