3. 考えなくても回る仕組みをつくる
――GTDとThingsで「判断」を外に出す生の目標から「使う時間」を上から決めるという考え方
第2回では、
時間管理の前に必要なのは、
予定をどう組むかではなく、
意味と構造を上から決めることだという話をしました。
セマンティック・ツリーで
「何を残すのか」を決め、
タイムボクシングで
それらに時間を与える。
ただ、
ここまで考えても、
こんな感覚が残ることがあります。
- その時々で判断に迷う
- 小さなことを考えるのが負担
- 気づくと頭の中が散らかっている
今回は、
その「判断の疲れ」を減らすための仕組みとして、
GTD(Getting Things Done)の考え方を扱います。
GTDは「タスク管理」ではない
GTDというと、
多くの人は
「タスク管理手法」
という印象を持つかもしれません。
しかし、
GTDの本質は、
タスクをうまくこなすことではありません。
判断を、先に終わらせておくこと
にあります。
思いついた瞬間に、
それをどう扱うかを一度決めてしまう。
そうすることで、
その後は
「考えなくても回る状態」を作る。
GTDは、
そのための構造です。
「整理する」とは、どういうことか
GTDの中でも、
特に重要なのが
「整理する」というフェーズです。
整理とは、
きれいに並べることではありません。
また、
やる気を出すことでもありません。
その情報や思いつきに対して、
どう扱うかを決めること
です。
- 行動するのか
- 行動しないのか
- いつやるのか
- 今は考えなくていいのか
この判断を、
一度だけ、
意識的に行います。
GTDの「整理」を全体で見る
ここで、
GTDでいう「整理」が
実際にはどのような流れで行われているのかを、
一度、全体像として見てみます。
※ この図は、思いついたことをInboxに集め、 判断を一度だけ行い、 「捨てる・残す・今やる・後でやる」を 構造として整理する流れを示したものです。
この図が示していること
このグラレコが伝えているのは、
GTDの細かなルールではありません。
ポイントは、
判断の分岐が、あらかじめ用意されている
という点です。
- 行動を起こすべきか
- 次の行動は一つか
- 2分以内で終わるか
- 特定の日付があるか
これらを
その場の気分ではなく、
構造として処理する。
だから、
同じことで
何度も迷わなくて済みます。
第2回とのつながり
ここで、
第2回の内容とつなげてみます。
- セマンティック・ツリー
→ 何を大切にするかを決める - タイムボクシング
→ 大切なものに時間を与える - GTD
→ 日々の判断を仕組みに任せる
GTDは、
上で決めた意味と時間を、
現実の行動に変換する役割
を担っています。
私がThingsを使っている理由
私自身は、
GTDの考え方を実装するために、
Thingsというアプリを使っています。
理由はシンプルです。
- 判断の流れが崩れにくい
- Inbox → 整理 → 実行が分断されない
- 余計な機能が少ない
大切なのは、
アプリそのものではありません。
判断を前倒しにする構造が、
無理なく続くかどうか
です。
まとめ:考えなくても回る状態へ
GTDは、
完璧に管理するための手法ではありません。
むしろ、
管理しなくても済む状態を作るための仕組み
だと、私は考えています。
- 意味は、セマンティック・ツリーで決める
- 時間は、タイムボクシングで確保する
- 判断は、GTDに任せる
この役割分担ができると、
日々の負担は、
確実に軽くなります。
すべてを一度に変える必要はありません。
まずは、
「判断を後回しにしている場所がどこか」
を、静かに眺めてみる。
そこからで、十分です。
この回で扱ったのは、
うまく回す方法ではなく、
迷わなくて済む状態をどう作るかでした。
判断をすべて自分で抱え続ける必要はありません。
考えるべきところだけを自分で引き受け、
残りは仕組みに預ける。
GTDは、そのための一つの考え方です。
このテーマは、
「整理する」
「意味と時間を決める」
「判断を仕組みに預ける」
という三つの視点で書いてきました。
今の自分に必要なところだけ、
拾ってもらえれば十分です。