AIに「任せる」ための力
―― 初心者でも迷わない「選ぶ→頼む→まとめる」の考え方
第1話では、
「答えの前に、問いを置く」ことが
起点になる、という整理をしました。
課題が定まったあと、
次に立ち上がってくるのが
「では、AIにどう任せるか」です。
AIが便利になったぶん、
選択肢は一気に増えました。
その結果、
「使えば使うほど、逆に疲れる」
という感覚が出ることがあります。
私はこの状態を、
AIの問題というより、
「任せ方がまだ形になっていない状態」
だと捉えています。
本記事(3部作の第2話)では、
AIに任せるときの考え方を
難しい言葉を使わずに整理します。
合言葉は、これだけです。
「選ぶ → 頼む → まとめる」
そして、ディレクション能力を一言で言うなら、
複数のAIを使い分けながら、
狙った成果物に近づけるための「指揮」です。
映画監督やオーケストラの指揮者のように、
完成図を思い描き、
役割を割り振って、
最後にひとつにまとめる。
その役割が、人間側に残りやすい。
私はそう考えています。
ここから先の流れを、
先に「地図」として置いておきます。
※ AIに任せて前へ進むための「選ぶ→頼む→まとめる」の考え方を9コマで整理した全体図です。
この3部作で扱う全体像
このシリーズでは、AI時代の「扱う力」を
3つに分けて書いています。
- 課題設定力(第1話)
- ディレクション能力(第2話)
- 成果物の評価および責任(第3話)
第2話は、
第1話で定めた課題を
AIに任せながら前へ進めるための回です。
ディレクション能力とは「任せ方」を作る力である
ここで言うディレクション能力は、
プロンプトの言い回しの上手さだけを指しません。
もっと簡単に言うと、
「AIに任せるときの、段取りを作る力」です。
AIは速く作れます。
だからこそ、方向が曖昧だと
迷いも速くなります。
AIは選択肢をたくさん出せます。
でも、
何が重要か。
何が意味を持つか。
どれを採用するか。
ここは、人間が決める必要があります。
だから、AIを使う時代ほど
「オペレーター」より
「ディレクター」に寄っていく。
私は、そんな変化が起きやすいと見ています。
ここで一度、
この記事の中身を「一枚の地図」にしておきます。
※ 合言葉「選ぶ→頼む→まとめる」と、送信前の「4行メモ」を1枚に整理した要約図です。
1) 選ぶ:どのAIに任せるか決める
最初にやることは、
「どのAIが正解か」を当てることではありません。
まずは、
「この作業は、何の種類か」を決めます。
- 文章を整えたい
- 画像を作りたい
- 調べものをしたい
- 表にしたい
- 要点をまとめたい
作業の種類が決まると、
どのAIを使うかも自然に絞れます。
複数AIを使う場合も、考え方は同じです。
- 下書きを出すAI
- 構成を整えるAI
- ミスを見つけるAI
「役割」で分けると、迷いにくくなります。
2) 頼む:何をどう作ってほしいか伝える
次は、AIに「頼み方」を渡します。
ここで大事なのは、
AIにいきなり完成品を求めないことです。
まずは、
目的と条件を渡します。
私は最低限、次の4つを先に書きます。
- 目的:何のために作る?
- 相手:誰に向ける?
- 形:どんな形にする?(見出し/箇条書き/本文など)
- やらないこと:入れないことは?(煽らない、専門用語は説明する等)
AIは「いい感じ」を勝手に定義します。
だから先に、あなたが定義します。
頼むときに効く「5つの確認」
難しい言葉にすると
「設計」や「品質管理」になりますが、
初心者向けに言い換えるなら、確認は5つです。
- 目的を決める
- 合格ラインを決める
- 材料を渡す
- 手順を分ける
- 直し方を伝える
材料が少ないほど、
AIは想像で埋めやすくなります。
だから「材料を渡す」は、
見落とされがちですが効きます。
例えば、
元文章、過去の事例、入れたい要素、
避けたい表現。
これらを少し渡すだけで、
出力のブレが減りやすくなります。
同じ依頼でも結果が変わる
ここで、短い例を置きます。
弱い頼み方:
「この記事をまとめて」
ディレクションが入った頼み方:
目的:AI初心者が迷わないように整理したい
相手:AI情報の洪水に疲れている学習者
形:見出し3つ+各200字程度+最後にNext Action
やらないこと:煽らない/断定しすぎない
合格ライン:専門用語は言い換えを添える
同じ「まとめ」でも、
最初に渡す条件が違うだけで、
出てくるものの使いやすさが変わります。
頼む力は、
上手い言い回しよりも、
条件を揃える力に近いです。
3) まとめる:出てきたものをつないで仕上げる
AIを使うと、
下書きや案がたくさん出ます。
ここで詰まりやすいのが、
「良さそうな案があるのに、完成しない」状態です。
なので、最後は
まとめる作業をします。
やることはシンプルです。
- 使う:採用する
- 直す:合わないところを直す
- 捨てる:今回は使わない
そして、複数案があるなら
「一つにする」だけです。
ここで重要なのは、
最終的に「これでいく」と決めることです。
AIは選択肢を出せますが、
選ぶ責任は引き受けてくれません。
この「決める」が、
次回(第3話)の
「成果物の評価および責任」につながります。
誤解されやすいポイントを1つだけ
ディレクション能力は、
「呪文のような言い回しの上手さ」ではありません。
むしろ、
段取りと、最後のチェックの力です。
丸投げすると楽になる。
これは半分だけ本当です。
目的と条件が曖昧なままだと、
手戻りが増えて、逆に疲れます。
だから、任せる前に
段取りを置く。
Next Action:送信前に「4行メモ」を書く
大きな仕組みを作らなくても大丈夫です。
次にAIを使うとき、
送信前にこの4行だけ書きます。
- 目的:____
- 相手:____
- 形:____
- やらないこと:____
これだけで、
AIの出力は「使える形」に寄りやすくなります。
読み終えたあと、
全体をもう一度だけ
1枚で確認できるようにしておきます。
※ 「AI疲れ」の原因から、選ぶ→頼む→まとめるの段取りと、送信前の「4行メモ」までを4コマで復習できる要約図です。
次回(第3話)では、 AIが出した成果物をどう評価し、 どう使い、どこに責任を置くのか。
「成果物の評価および責任」を扱います。