プロンプトは瞬時にたたけるように
―― 良いプロンプトを「即挿入」できる資産にする
AIを使い始めると、意外と疲れる瞬間があります。
「良いプロンプトを作ったはずなのに、次に使うとき見つからない」
という場面です。
プロンプトの内容は良いのに、探したり、整え直したり、貼り直したりする。
この「手数」が増えると、学びも仕事も続きにくくなります。
この記事で扱うのは、プロンプトを「速く作る方法」ではありません。
一度作った良いプロンプトを、必要なときに「即挿入」できる状態にしておく。
そのための発想を整理します。
入口として、直感で価値を感じやすい例が「/youyaku」です。
これは私がTextBlazeというツールで使っている呼び出し例です。
そして後半で、同じ発想を「/M1→/M2→/M3」のような連鎖にも広げます。
※ AIのプロンプトを「瞬時に呼び出し、即挿入できる資産」にするための方法を解説した図です。
「瞬時にたたける」とは、作る速さではなく「挿入の手数」のこと
良いプロンプトは、作った瞬間に価値が出るわけではありません。
次に使うとき、迷わず取り出せて初めて「資産」になります。
私が「瞬時にたたける」と言っているのは、タイピングが速いという意味ではありません。
呼び出して、貼って、すぐ使える。
その状態まで含めて、プロンプトを資産として扱いたい、という立場です。
「そんなに整えるのは大変そう」と感じるなら、その感覚は自然です。
ただ、この記事の話は「がんばって整理する」ではなく、
毎回の小さな手間を減らすことが中心です。
最初の一歩は「/youyaku」みたいな「1発で効く」ものがいい
ここで出てくる「/youyaku」は、私がChrome拡張として使っているTextBlazeの呼び出し例です。
短い合図(たとえば「/」)を入力すると、
用意しておいた文章をすぐ挿入できる仕組みです。
「/」はよく使われる合図ですが、必ずしもスラッシュである必要はありません。
他の記号や文字でも設定できるため、自分が覚えやすい形に寄せられます。
ただ、ここで重要なのは「どの記号を使うか」ではなく、
合図を1つに統一して、迷わず呼び出せる状態にしておくことです。
統一しておくと、「思い出す」ではなく「反射で打てる」ようになります。
つまりこれは、ChatGPTの標準機能というより、
「呼び出しを短くする仕組み」をツール側で用意しているイメージです。
たとえば「/youyaku」。
ここで言っているのは「この文を要約して」のような一言ではありません。
私が用意しているのは、要約の「型」まで含めたプロンプトです。
たとえば「3行で、結論→根拠→次の一手」という形で返すように決めています。
こうしておくと、毎回「どんな要約にする?」で迷わなくなります。
要約そのものより、出力が安定することのほうが、私には価値があります。
そして、その型を「呼び出し」で即挿入できるようにしている。
これが「瞬時にたたける」の具体例です。
良いプロンプトは「保管」ではなく「呼び出し」まで設計して資産になる
プロンプトをメモに残している人は多いはずです。
ただ、メモは「保管」はできても、「即挿入」が弱くなることがあります。
資産として強くなるのは、次の条件が揃うときです。
- 呼び出しが簡単(迷わない・短い)
- 貼った瞬間に使える(整形し直さない)
- 同じ目的に繰り返し使える(型になっている)
ここまでくると、プロンプトは「文章」ではなく「道具」になります。
逆に言うと、プロンプトが資産になりにくいのは、内容が悪いからではありません。
多くの場合は、取り出し方が整っていないだけです。
そして本題へ:/M1→/M2→/M3で「連鎖」を簡単にする
「/youyaku」が便利なのは、1回の作業が軽くなるからです。
次は、仕事の流れそのものを軽くする話です。
たとえばマーケティングの分析は、段階に分けると進めやすくなります。
- 企業概要
- 市場ポジション・競合
- SWOT分析
- 戦略提案
この流れを、/M1、/M2、/M3…のように工程ごとに呼び出せる形で持っておく。
すると、やっていることは高度に見えても、操作は単純になります。
- /M1を出す → 出力をコピー → /M2へ貼る
- /M2の出力をコピー → /M3へ貼る
- 「次は何を聞く?」という迷いを、型が吸収してくれる
私はこの形がとても助けになります。
「すごいプロンプトを作る」より先に、同じ順番で進められることのほうが、
学びと仕事を支えるからです。
これは「チェーンプロンプト」に近い。ただし難しい設定ではない
/M1→/M2→/M3…の進め方は、一般に「チェーンプロンプト」と呼ばれる考え方に近いです。
前の出力を次の入力に渡しながら、段階的に考えを深めていく形です。
ただ、ここで言いたいのは「高度な技術ができる」ではありません。
私が助かっているのは、チェーンのような流れを、
難しい仕組みを組まずに「呼び出し」で再現できるところです。
工程ごとの「型」を用意しておき、コピーして渡すだけで回る。
高度に見える流れを、日常の操作に落としている、という感覚です。
ツールは主役ではない。でも「即挿入」を実装しやすい道具はある
私はTextBlazeを使っています。
変数など便利な機能もあります。
ただ、私が手放せない理由は、
プロンプトを「即挿入できる資産」として置いた結果が、
運用として積み上がるからです。
一定期間使ってみると、使用回数や節約時間が可視化されます。
私の環境では、積み上げが「数百時間」という単位で表示されるようになりました。
これはタイピング速度などの前提で変わるので、あくまで目安です。
ただ、ここまで積み上がるとは私自身も意外でした。
私にとって重要なのは「何時間得したか」よりも、
呼び出しが習慣になり、迷いと手数が日常的に減っていることです。
同じ考え方は、メモやNotionでも成立する
ここまでの例では、/youyaku や /M1 のようにスラッシュで呼び出しています。
これはTextBlazeのような「呼び出し用ツール」を使っているからできる形です。
メモや辞書登録、Notionでは、同じ見た目のスラッシュコマンドにはなりません。
ただし、目指しているのは「スラッシュであること」ではありません。
目指しているのは、次の状態です。
- 迷わず取り出せる
- 貼った瞬間に使える
- 繰り返し使える
呼び出しの形がスラッシュでも、ショートカットでも、ページでも、
この条件が満たされていれば「即挿入できる資産」になります。
まとめ:資産とは「良い内容」+「即挿入できる状態」
良いプロンプトは、作っただけでは資産になりません。
迷わず呼び出せて、貼ってすぐ使える。
そこまで含めて資産になります。
最初は「/youyaku」のような、1発で価値が分かるものからで十分です。
慣れてきたら、/M1→/M2→/M3のように、工程ごと資産化すると楽になります。
Next Action
今日よく使う作業を1つ選び、
それを「迷わず呼び出せる形」にしてみてください。
スラッシュでも、メモでも構いません。
うまくいけば、その「型」が次の資産の種になります。