キャッシュポイントを増やす

―― ひとつの柱に依存しない、ビジネスの安定の作り方

キャッシュポイントを増やすのアイキャッチ

AIの話題が増えるにつれて、
「AIで何を効率化できるか」という問いを
よく見かけるようになりました。


効率化はもちろん大切です。
ただ、ビジネスをやっている人にとって、
本当に切実なのは別のところにあると私は考えています。


売上を、どう作るか。


人件費や経費を削るより先に、
入ってくるお金の流れを増やす。


その流れを「ひとつ」に頼らず、
複数持てるようにする。


本記事では、
「キャッシュポイントを増やす」という視点で、
ビジネスを安定させる考え方を整理します。


会社員の方で副業や独立を考え始めた人にも、
すでに独立していて柱の細さに不安を感じている人にも、
共通して使える話として書いています。


※ キャッシュポイント構築の3ステップと、AIを補助輪として使う考え方の俯瞰図


キャッシュポイントとは「お金が入ってくる入り口」のこと

キャッシュポイントという言葉は、
少し堅く聞こえるかもしれません。


ここでは、難しく考えなくて大丈夫です。


お金が入ってくる入り口のこと。


それだけです。


たとえば、会社員の方なら、
給料という入り口がひとつあります。


個人で仕事をしている方なら、
取引先からの売上が入り口になります。


この「入り口」が、
ひとつしかない状態と、複数ある状態とでは、
ビジネスの安定感がまったく違ってきます。


タイヤがひとつだと、パンクしたら走れない

少し身近な例で考えてみます。


車にタイヤがひとつしかなかったとしたら、
そのタイヤがパンクした瞬間に、
車は止まってしまいます。


タイヤが4つあれば、
1本がパンクしても、
スペアに替えるまでの時間を稼げます。


ビジネスのキャッシュポイントも、
これとよく似ています。


入り口がひとつだけだと、
その取引先がなくなったとき、
その商品が売れなくなったとき、
全体が止まってしまいます。


入り口が複数あれば、
ひとつが弱ったときに、
他が支えてくれます。


株式投資の世界で言われる
「分散投資」と似た考え方です。


ひとつの銘柄に全額を入れるのではなく、
複数に分けることでリスクを下げる。


ビジネスでも、
入り口を分けておくことで、
似たような効果が生まれます。


ただし、最初から分散しようとしないこと

ここで、ひとつ大事な前置きをしておきます。


「複数のキャッシュポイントを持つ」と聞くと、
最初からいくつも手を出したくなるかもしれません。


ですが、私の経験では、
最初は、ひとつに集中する方がうまくいきます。


理由はシンプルです。


ひとつのことを、ある程度の形にできない人が、
複数のことを同時に形にできる可能性は低いからです。


最初の柱が立っていないうちに分散すると、
どれも中途半端なまま終わってしまうことがあります。


順番としては、こうなります。


  • まずひとつに集中して、形にする
  • そのひとつが回り始めたら、次のことを考える
  • 次は、ゼロから探すのではなく、今やっていることの「隣」を見る

この「隣を見る」という感覚が、
キャッシュポイントを自然に増やしていく入り口になります。


私の経験:ひとつのスキルが、次の柱を呼んだ

ここから少しだけ、私の経験を話します。


自慢のためではなく、
「隣を見るとはどういうことか」を
具体的に伝えるためです。


私は会社員時代とはまったく違う業種で独立しました。
年を重ねても続けられる働き方を考えて、
ネットを使ったビジネスとして、
健康茶のEC販売から始めました。


最初の柱は、これひとつでした。


ECサイトを作るとき、
外注すると100万円を超えることもあります。
当時の私には、その余裕はありませんでした。


なので、自分でHTMLやCSSを学び、
購入したテーマをカスタマイズしながら、
少しずつサイトを組み立てていきました。


そのうちに、画像編集の必要が出てきて、
Photoshopも触るようになりました。


ここまでは、
あくまで「自分の店のため」の作業です。


ところが、ある時点から、
このスキルを「他の人のために使えませんか」と
声をかけてもらうようになりました。


自分のために学んだことが、
他の人のための仕事になり、
2つ目のキャッシュポイントになっていきました。


そこから先は、
ひとつ学ぶたびに、隣に小さな柱が増えていく感覚でした。


ECの物販、卸、コンテンツ制作、コンサル、
セミナー、オンラインサロン。


今振り返ると、
最初から計画していたわけではありません。


ひとつの柱を立てるために学んだことが、
そのまま次の柱の種になっていた。


そういう順番でした。


今では、入り口の数はおおよそ10個ほどになりました。
中には大きな柱もあれば、それほど大きくない柱もあります。
ただ、複数あることで、
以前よりもずいぶん安定して走れるようになったと感じています。


リスクの理解→1つの柱に集中→入り口を増やす→隣への展開→AIは補助輪、までの流れの図解。


AIは、この「隣を見る」を加速させる道具になる

ここで、AIの話に戻ります。


私がAIを学び始めたのは、
ChatGPTが公開された10日後でした。


ChatGPTが世に出たのが2022年11月30日。
そこから10日後には、私は学び始めていました。


なぜ続けているかというと、
AIが「キャッシュポイントを増やす」という方向と
よく噛み合うからです。


少し具体的に言います。


これまで、新しい柱を立てようとすると、
ゼロから学ぶ時間が必要でした。


文章を書く、画像を作る、構成を考える、
リサーチをする、たたき台を作る。


このどれもが、それなりの時間とエネルギーを要しました。


AIは、この最初の重さを軽くしてくれる場面があります。


たたき台を出してもらう。
分からない言葉を、自分のレベルで説明してもらう。
作業の段取りを一緒に考えてもらう。


これは、ひとりで全部背負わずに、
「隣の柱」を立ち上げるハードルを下げる動きだと
私は考えています。


ただし、ここでも順番は同じです。


AIを使えば一気に複数のことができる、
という話ではありません。


最初の柱がしっかりしていない段階でAIを使っても、
増えるのは「未完成のもの」だけになりがちです。


ひとつを形にする。
それが回り始めたら、隣を見る。
そのときに、AIを道具として迎え入れる。


この順番だと、AIの力が無理なく効いてきます。


「学んだことを、ビジネスに発展させる」という視点

もうひとつ、伝えておきたい視点があります。


新しいキャッシュポイントを探すとき、
多くの人は「ゼロから何かを始める」発想になりがちです。


ですが、私の経験では、
いま自分がやっていることの中に、種はすでにあることが多いです。


自分のために学んだこと。
自分の仕事の中で身につけたこと。
自分が時間をかけて理解してきたこと。


これらは、他の人にとっては
「お金を払ってでも教えてほしい」内容になっていることがあります。


新しい柱を、遠くに探しに行かない。
自分の足元を、もう一度見てみる。


この視点があるだけで、
キャッシュポイントの増やし方は、ずいぶん楽になります。


まとめ:ひとつに集中してから、隣を見る

ここまでの話を、短く整理します。


  • キャッシュポイントとは、お金が入ってくる入り口のこと
  • 入り口がひとつだけだと、それが止まったときに全体が止まる
  • だからといって、最初から分散しようとしない
  • まずはひとつを形にして、回り始めてから隣を見る
  • 隣の柱は、ゼロからではなく「今学んでいることの延長」で見つかりやすい
  • AIは、その「隣を立ち上げるハードル」を下げる道具になる

Next Actionとして、
今日からできる小さな一歩をひとつだけ置いておきます。


  • 今あなたがやっている仕事や学びの中で、
    「他の人のためにも使えそうなこと」を、ひとつだけ書き出してみる

書き出すだけで構いません。


今すぐ動かなくても、
その一行が、次の柱の最初の種になることがあります。


ひとつのタイヤで走り続けるのではなく、
少しずつ、走り続けられる形に整えていく。


私は、それを
「ビジネスを安定させる」ということだと考えています。


基本原則→1つの柱を形にする→AIを補助輪として活用→柱を増やす、の手順整理

國重公秀

飲食業界で31年、現場から役員までを経験し、売上16億円から300億円への企業成長を牽引。現在はその経営視点と最新技術を掛け合わせ、「AI×Notion」に特化した生成AIコンサルタントとして活動しています。

中小企業や飲食店オーナー様の業務自動化と収益化を支援しつつ、自身も「1日3時間の労働で安定収益を上げる」ライフスタイルを実践中。

(James Skinner氏に師事(AI Super Human)/プロンプトスクール飛翔 元公認管理人/東大「AI経営講座」修了・生成AIパスポート 他)

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