オーナー思考と労働者思考

―― 正しさの議論ではなく、「学びを投資に変える」ための整理

オーナー思考と労働者思考のアイキャッチ

オーナー思考と労働者思考という言葉は、
ときどき「どちらが正しいか」「どちらが偉いか」
という話にすり替わってしまいます。


私が伝えたいのは、優劣の話ではありません。
まず、そこを前置きしておきます。


この記事で扱いたいのは、
「思考のモードとして、2つの違いがある」ことです。
そして、その違いを分かった上で、
自分の行動を選べるようになることです。


そのうえで、私の経験からひとつ総論を言うなら、
「学ぶ」という投資は、人生の局面で効いてくることがある。
私はそう考えています。

オーナー思考と労働者思考は「人格」ではなく「モード」です

ここで言う「労働者思考」は、
誰かが決めたルールの中で、期待に正確に応える思考です。


たとえば、
ミスを減らす、納期を守る、言われたことを丁寧に仕上げる。
こうした姿勢が必要な場面は多くあります。


一方の「オーナー思考」は、
自分で目的を置き、価値や仕組みを作る方向に思考を向けることです。


「どちらが正しい」ではなく、
状況によって、求められるモードが違う。


その違いを知らないままだと、
本来は切り替えるべき場面でも、
同じ姿勢で走り続けてしまうことがあります。


ここで一度、この記事の全体像を地図として置きます。
読み進める途中で迷ったら、
この図に戻ってきてください。

オーナー思考と労働者思考の特徴を比較し、優劣ではなく状況に応じた「モード切替」を促す図解です。

※ オーナー思考と労働者思考の特徴を比較し、優劣ではなく状況に応じた「モード切替」を促す図解です


この図の中心にあるのは、
「優劣ではなく、モードの切り替え」という考え方です。


左が「守る・正確」。
右が「作る・増やす」。


そして真ん中に、
魚のたとえ(置き換え)が橋としてあります。


この順番で、本文も進めていきます。

魚をもらうのか、魚を釣れるようになるのか

分かりやすい例として、
「魚」のたとえがあります。


子どもに魚をあげるより、
魚を釣るスキルを教えるほうが大切。
こういう話を聞いたことがある方もいると思います。


ただ、現代だと少しだけ難しさがあります。
釣りは趣味としてやる人はいても、
「釣った魚で暮らしを成り立たせる」という見立ては、気づきにくいことがあります。


だからこそ私は、こう置き換えています。
魚=目先の満腹(今すぐの安心)
釣る力=未来の自分が食べていくための力(スキル・知恵・経験・人脈・仕組み)


魚をもらえば、今日の空腹は満たせます。
ただ、明日も同じ形で魚が手に入るとは限りません。


一方で、魚を釣れるようになれば、
今日だけでなく、明日以降の選択肢が増えます。


私はこのたとえを、
「消費が悪い」という意味ではなく、
“生活の時間軸”の話として捉えています。


今の満腹(目先の報酬)だけで終わらせず、
未来の自分が食べていける状態を作る。


学びへの投資は、
私にとってこの「釣る力」側の選択でした。

私が「学び=投資」を大切にしてきた理由

ここからは、私の経験です。


私は30代を過ぎた頃、年齢的には早い段階で、
会社の重要なポストを任せていただきました。


正直、背伸びをして働く日々でした。
それでも、任せてもらった以上は、
自分なりに努力したいと考えていました。


そしてもうひとつ。
会社に、社会に、そして一緒についてきてくれるスタッフに、
何かしらの形で返したい。
感謝でもあり、貢献でもあり、フィードバックでもある。


そういう気持ちが強くありました。
その一心で、私は本を読み、
お金を払って学び、コンサルティング的に知見を取りに行きました。


この時点では、
それが将来どんな形で返ってくるかは分かりません。
ただ、私は「先に払う」ほうを選びました。

50歳で手放したものと、残っていたもの

転機は50歳のときでした。
私は体の健康にはかなり自信があったのですが、
少し仕事を背負いすぎたのか、体調を崩しかけ、会社を辞めることになりました。


辞めるつもりは、まったくありませんでした。
それでも、まず自分の体を一番に大切にする判断をしました。


当時、家庭の状況も重なっていました。
子どもが2人いて、
上の子は大学院を修了し、下の子は4年制大学を卒業して、
それぞれ就職が決まり、同じ春に社会に出る時期でした。


配偶者も自分で商売をしていました。


そして私は、子ども2人の学費を、
奨学金などは使わずに出してきました。
その結果、貯金はほとんどない状態でした。


そこに「自分の仕事がなくなる」が重なったとき、
私はとてつもないどん底に突き落とされた気持ちになりました。


ただ同時に、こう思えたことも救いでした。
最悪の場合でも、自分がコンビニのバイトでもして食べていければいい。
そう思えたことで、肩の重みが少し軽くなった感覚がありました。


そして、そのときに残っていたものがありました。


それまでに学んできた知識。
積み上げてきた経験。
そして、人脈。


私はそれらに支えられて、
1年ほどで安定して食べていける状態に戻ることができました。


今では、会社にいたときよりも、
実入りが良くなったと実感しています。


ここで誤解してほしくないのは、
自慢話がしたいわけではない、ということです。


私が言いたいのは、
お金や肩書きは、状況で失うことがある一方で、
学びと経験は「残る」ことがある、という点です。

2022年11月30日以降、AIに投資し続けている理由

2022年11月30日にChatGPTが登場してから、
私は1ヶ月も経たないうちにAIを学び始め、今も続けています。


正直、かなりの金額をつぎ込んでいます。
それは私の方向性に、AIが合っていたからです。


50歳で会社を辞めたあと、
ビジネスをやり直すときに、何度も遠回りはできない。
私はそう感じていました。


歳を重ねても続けられる働き方。
体力的に無理が少ない形。
ネットを使ってビジネスを組み立てる形。


その中心にあったのが、
「仕組み」と「自動化」でした。


私は、従業員を雇わずに進める形を選び、
できるだけ自動化の仕組みを取り入れてきました。


そこにAIが登場しました。
自動化とは少し違いますが、
AIの力を借りることで、方向性がさらに重なった感覚がありました。


社員を雇うのではなく、
社員の代わりにAIと一緒に仕事をする。
今はそのような形に近づいています。


AIに投資するのは、
いまコストがかかるとしても、将来への投資だと私は捉えています。

有料の学びには価値がある。ただし「授業料」になることもある

学び方にはいろいろあります。
無料で試すこと自体は、もちろん悪いことではありません。


ただ私は、経験上、
有料の講座や有料のコンサル、いわゆる高額なものには、
それだけの価値があるケースがあると感じています。


私はこれまで、何百万円というお金を使ってきました。
その良し悪しが分かってきた、と感じています。


とはいえ、すべてがうまくいったわけではありません。
中には50万円ほどかけて、
ほとんど何にもならない、詐欺的に感じる内容に当たったこともあります。


そのときの感情は、悔しさがゼロではありません。
ただ、私は最終的に、
「良い勉強をさせてもらった授業料だった」と整理しました。


この50万円は、
同じようなことに後から引っかからないために、
私の中に残しておく学びになっています。


ここでも言いたいのは、
高いから正しい、安いから悪い、という話ではありません。


大切なのは、
自分が「魚」だけを食べていないか。
自分の「釣る力(スキル・知恵・経験・人脈・仕組み)」を増やす選択になっているか。


私は、その確認ができるだけでも、
投資の精度は少し上がると考えています。

まとめ:違いを知ったうえで、今日の選択を自分で決める

オーナー思考と労働者思考は、
どちらが正しい/間違いという話ではありません。


ただ、2つの違いを理解しているかどうかで、
同じ状況でも、選べる行動が変わることがあります。


私が経験から伝えたい総論は、
「学ぶ」という投資が、苦しい局面で支えになることがある、ということです。


家計や体調、家族状況によって取れるリスクは違います。
だからこそ、無理のない前払いを選ぶことが大切だと私は考えています。


Next Actionとして、
今日できる小さな前払いを1つだけ選んでみてください。


・AIについて、無料記事ではなく本を1冊買ってみる
・有料の講座を選ぶ前に、講師の発信を3本見て相性を確かめる
・学んだことをNotionに1メモだけ残す


未来の自分に残るものを、少しずつ増やす。
私はそれを、オーナー思考の入口として捉えています。

國重公秀

飲食業界で31年、現場から役員までを経験し、売上16億円から300億円への企業成長を牽引。現在はその経営視点と最新技術を掛け合わせ、「AI×Notion」に特化した生成AIコンサルタントとして活動しています。

中小企業や飲食店オーナー様の業務自動化と収益化を支援しつつ、自身も「1日3時間の労働で安定収益を上げる」ライフスタイルを実践中。

(James Skinner氏に師事(AI Super Human)/プロンプトスクール飛翔 元公認管理人/東大「AI経営講座」修了・生成AIパスポート 他)

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